突然のベジタリアン宣言
2019年8月。
11歳の娘が「私、ベジタリアンになる!」と。
まさかのベジタリアン宣言をした。
それまで娘は
「好きな食べ物は塩タン♡ハラミ♡こてっちゃん♡」
なぁんていうチョー肉食女子だったので、もうびっっっっくり!!!
「ほんま??言うてるだけちゃう?どうせ3日ボウズでしょー。」
もちろん疑ってかかる。(笑)
きっかけはね。
タイのプーケットにある「エレファントサンクチュアリ」という象の保護センターを訪れたこと。
そのセンターには、心ない人間に傷つけられた象たちがたくさん保護されていて。
娘は両親のいない赤ちゃん象「Rockey」にミルクをあげるお手伝いをさせてもらいました。
Rockeyのお父さんは象牙をとるためだけに人間に殺され、お母さんは過酷なトレーニングをさせられた後、エレファントトレッキングで働かされているらしい。
悲しい思いを抱えながらも、無邪気に人間にすり寄って甘えてくるRockeyに出会った事が娘の心を大きく動かす要因となりました。
今まで、人間によって傷つけられ苦しんでいる動物をテレビで見た事はあったけど、体験をもって知ったのは今回が初めて。
その夜、心の中にズーーーーーンと沈む鉛のようなものを感じながら重い口を開きました。
・・・・・・・
「Rockeyかわいかったね。」
「でも少し悲しい目をしてたね。」
「まだ赤ちゃんなのにお母さんもお父さんもいなくて寂しいだろね。」
「Rockeyみたいに悲しい思いをしている動物ってきっと他にもたくさんいるよね。」
「やりきれないね」
「何か私たちにできることはないんかな。」
話しながら涙がぽたぽた落ちました。
「自分にできることを考えて、少しずつでもいいからやってみるしかない。」
そこで娘が考えたアイデアのひとつが「ベジタリアンになること」でした。
・動物が大好き
・だから守りたい
・食べるためや趣味のために殺される動物たちを1頭でも少なくしたい
純粋でまっすぐな娘の心。
気持ちはすーっごくわかる。
でもこの時はまだ前述の
「ほんま??言うてるだけちゃう?どうせ3日ボウズでしょー。」
という感覚で。
「そーなんやー。とりあえず食べたくなったらいつでも食べるんやで。」
と、よゆーかましてました。(笑)
その後、タイでの旅行中、レストランで毎回ベジタリアンメニューを選ぶ娘を横目で見ながら
「日本に帰ったらまたあの焼肉屋さん行く?」とか
「ひさびさにお寿司食べたいよね。」とかイジワルな質問をしてみるも。
「いや。いいわ。」と冷たくあしらわれる・・・。
まじか・・・。
母の予想に反して、そのまま娘はタイでの滞在期間中、ベジタリアンメニューオンリーで過ごして帰国。
「このままベジタリアン続けたい」と申し出た。
ベジタリアン宣言から約10日。
これはいよいよ本気で考えなければ!
なにより私はベジタリアンについて何も知らない。。。(あせるー)
これまで少しは栄養バランスを考えながら料理していたが、ベジタリアンとなると全く話が変わってくるではないか。。。(あせるー)
「心も身体もまだまだ未熟で成長過程の小学5年生がベジタリアンって、本当に大丈夫なのか・・・」
という不安がじわじわ溢れて出てくる。
一番守らなければいけないのは娘の健康。
「身体こわしたらどうしよう・・・」
なによりそれが怖い。
無知な大人が「だめ!子供にはまだ早い!」などと理不尽に却下することはいとも簡単。だけど、娘の気持ちを無理やりねじ伏せたくはない。
娘の気持ちを無かった事にして、彼女の未来を変えてしまうのはもっと怖い。
それなら、、、選択肢はひとつ。
まずは私が正しい知識を身につけること。
健康維持が可能かどうか判断するのはそれからだ。
・・・・・・・・
で。ここ数週間。
たくさんの文献やニュースを読み、学び、分析し、レポートして。
栄養オタクのような生活をしていたところ、
「動物性タンパク質を植物性の食材でだいたい補う事ができるのでは?」ということが見えてきた。(課題はまだまだあるが)
その後も娘と何度も何度も話し合いを重ねて。
娘の「動物が大好き。だから守りたい。」という揺るぎない志を尊重してやりたい。
そのために、親として精一杯サポートしてあげよう、との結論に達しました。
とにもかくにも健康第一で。
美味しくヘルシーなベジタリアン料理をつくることがこれからの私のミッション。
よし。がんばろ!