給食の壁(前編)

娘の小学校は給食制度。

食育にはとても力を入れていて、

「有名ホテルの元シェフが作る健康的で美味しい給食」

というのが学校の特色のひとつにもなっている。

 

実際、娘も給食が大好き。

 

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さて。その美味しい給食をこれからどうするか。

夏休みが終わるまでに娘と話し合った。

 

 

・給食の時だけは心を無にしてお肉を食べる

 

・入っているお肉を減らすもしくは抜いてもらう

 

・お肉を使っているメニューだけ食べない

 

・お弁当を持って行く

 

「どうする?」の質問に

すかさず「お弁当を持って行きたい。」と娘。

 

「でももし先生がお弁当はダメって言ったらどうする?給食に入っているお肉だけ抜いてもらえるか交渉してみる?」

 

「んー・・・・・・。いや、それは違うと思う。お肉を食べたくないから抜いてもらうんじゃなくって・・。人間の食事のために殺される動物を減らしたいから食べないねん。殺されてお肉になって、そのお肉でつくられた料理を食べずに残して捨てるのは一番悲しい。それは誰も助かってない。」

 

そりゃそうだ・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

休み明け早々、担任の先生に相談することにした。

 

「あのー・・・。実は・・・。夏休み期間中に娘がベジタリアンになりまして・・・。できればお弁当を持参したいと希望しているのですが、可能でしょうか。」

 

「え??ベジタリアンですか???また急にどうして・・・」

 

「はい。そうなんです。先日、動物保護センターを訪れたのがきっかけで。。心ない人間によって苦しめられた動物たちのお世話をさせてもらいながら、今まで知らなかった動物たちの悲しみや寂しさを目の当たりにし、娘なりに『今、自分が動物のためにできることは何か』と考え、真剣に向き合ったようです。その結果、『自分がベジタリアンになること』もひとつの方法だと結論づけたようなんです。」

 

「へぇーー。はぁーーー。そうですか・・。そんなことが・・・。わかりました。ひとまず明日、娘さんとお話させていただいてよろしいですか?動物を守りたいという気持ちは本当に素晴らしい事だと思います。しかしながら、方法はそれ以外にもあると思うんです。学校ではクラスメイトのみんなと同じものを一緒に食べることも協調性を育む上ではとても大切なことなので。色々と娘さんにお伝えさせていただきますね。」

 

 

 

「あ・・・。はい。先生のおっしゃる通りです。『動物を守るためにできることはベジタリアンになることだけじゃない。』その点は私も重々娘に伝えました。ですが娘は『動物を守るために「自分が」できることがあれば全てにおいてチャレンジしたい』というスタンスでいます。ビーチクリーニングや保護センターの活動支援など、ベジタリアンだけに拘らず広い視野で「自分にできること」を考えています。「ベジタリアン」という選択はその中のひとつに過ぎません。動物を守りたいのに動物を殺して食べていることが娘の中で矛盾として心に残ってしまう以上、無理に食べさせる事が親として正しい判断とも思えず、現在は家庭でも娘の食事のみお肉やお魚を使わず植物性食材のみで栄養バランスを考えながらベジタリアン料理を作っています。ですので、可能であればお弁当を持参することを許可していただきたいと考えております。ワガママを申し上げて本当に申し訳ありませんが、どうかご検討いただけますようお願い致します。」

 

 

「そうですか・・。そうですね。お気持ちはよく分かりました。自分で考えて行動にうつせることは素晴らしいです。個人的には賛成します。ただ、申し訳ありませんが前例の無い事ですので担任の私の一存ではイエスともノーとも今は言えません。明日娘さんとお話させていただき、心境を把握した上で学校側で一度話し合いの場を設け検討させていただきます。明日はひとまずお弁当を持参してくださって結構です。」

 

 

わぉ!すごい!

 

なんて柔軟な対応・・・。

ありがたい・・・。

 

正直、「それは認められません。」と門前払いされることを想定していたのに。

 

担任の先生に感謝。

 

とは言えOKをもらたえたわけではない。

本番はこれから。

母が伝える事ができるのはここまで。

 

あとは娘が自ら自分の気持ちをしっかり先生に伝えなければいけません。

 

個人的な思想でもって組織のルールを変えようとしているのだから。本気で立ち向かわないと。

 

引っ込み思案で内弁慶の娘。

 

さぁて。どうなることやら。笑

 

 

(つづく)