体調の変化
今日で、娘がベジタリアン生活をスタートしてちょうど1ヶ月。
心配していた体調について。
なにげなーく。さりげなーく。それとなーく。
娘に聞いてみた。
チェック1. 疲れやすさを感じていないか
「なんか最近さー。季節の変わり目やからかなー。疲れやすくない?夏休み明けやからかなー。朝起きるのつらくない?」
「え?全然やで。ママ、それ、歳やろ。ははは!笑」
・・・。
チェック2. 貧血になっていないか
「座ってて急に立ち上がったりしたら目の前クラクラーっするときあるよなー。歩いてたら突然頭がフラフラーっしたりさー。」
「え!ないよ?ママ、大丈夫?病院行った方がいいんちゃう?」
お。おぅん・・・。
チェック3. 便秘になってないか
「最近、お通じどう?(直球)」
「めっちゃいい👍むしろいい👍すこぶるいい👍」
えーなぁ・・・。
チェック4. すぐイライラしないか
「最近暑すぎてさー。なんかちょーっとした事でイライラしてしまうよなー。」
「そう?まぁ。暑いけどな。ママは暑さ関係なくすぐイライラするけどな。」
わぉ・・・。
チェック 5. 体力が低下していないか
「もうすぐ運動会やなー。毎日練習大変なんちゃう?組体操やらリレーやら疲れるっしょ?」
「そうでもないよ。全然大丈夫!でもママやったら絶対倒れてるで。笑」
キャー・・・。
チェック6. 集中力は低下していないか
「勉強してても気づいたらすぐに他のこと考えてしまってる時ない?途中から全然違うことしたり。」
「あるある!机の中整理したり!部屋片付けたり!勉強中にめっちゃキレイにするんが、やたら楽しい。笑」
何に集中してんねん・・・
と。まぁ。
こんな感じでした。
今のところ、特に問題なし。
体重変化なし。
肌あれなし。
集中力なし。
これはもとから。笑
Meat Free Monday
イギリスのミュージシャン、ポールマッカートニーが提唱している「ミートフリーマンデー」。
これは、「せめて毎週月曜日だけでもお肉食べずに過ごしましょう!」というキャンペーンで、今や世界中に広がっている。
ニューヨーク市は2019年3月より全公立学校の給食で「ミートレス・マンデー」を取り入れており、生徒や保護者から好評なんだそう。
ヘルシーで、コストも安く、動物のためにもなって、地球環境保護にもつながる。まさに良いことづくめ。
恥ずかしながら、私は娘がベジタリアンになるまで知らなかったけど。
これ。
すごいアイデアだと思う。
もし。
世界中の学校が。
会社の社員食堂が。
全てのレストランが。
私たちみんなが。
ミートフリーマンデーを実施したとしたら。
たった一週間に一回、お肉を食べないという選択をしたとしたら。
どれくらいの動物が助かるんだろう・・・
地球はあとどれくらい生きられるんだろう・・・
ベジタリアンにもいろいろある
実は、ベジタリアンにもいろいろな種類がある。
野菜しか食べない人のことをベジタリアンと呼ぶわけじゃあない。
完全菜食主義で野菜や豆類など植物性食品のみを食べるビーガン。
肉、魚、卵は食べないけど、乳製品・はちみつは食べるラクト・ベジタリアン。
肉、魚は食べないけど、卵・乳製品・はちみつは食べるラクト・オボ・ベジタリアン。
肉、卵、乳製品は食べないけど、魚は食べるペスコ・ベジタリアン。
フルーツ、ナッツなど木の実のみを食べるフルータリアン。
などなど。
そして、最近は「なるベジ」や「ゆるベジ」なんて言葉も出回っている。
なるべくベジタリアン料理食べましょ。
ゆるーくベジタリアン月間してみましょ。
みたいな。
完全なベジタリアンじゃないけど、意識して動物性食品を減らしている食スタイル。
私はこのスタイルが無理なく続けられそうでお気に入り。「なるベジ」でも「ゆるベジ」でも「ちょいベジ」でも「朝ベジ」でも良いんじゃないかと思う。
たとえ週に一回でも一日一回でもやらないよりはいいし、食事内容を意識することに意義がある。
ラクト・オボ娘にこのことを話すと、
「へー。」とか「ほー。」とか「はーん。」とか気のない返事がかえってきた。
どうやら「なる」とか「ゆる」は考えられないし、考えたくないらしい。
それどころか、
「来年あたりにはビーガン目指したいなぁー」なんてこと言ってくれちゃいましたよ。(キャー)
わかるよ、わかる。
お気持ちはお察しいたします。
でもね。母さんはそんなに器用でもなければ頭脳明晰でもないのだよ。
ひとまず、ちょいと勉強する時間をください。
それまではどうか。
「なるビー」もしくは「ゆるビー」でお願いします。ラクト・オボちゃん。
白旗はあげられない
そもそも。
ベジタリアンについての知識を全く持ちあわせてなかった私。
vegetarian=野菜ばかり食べる人
vegetarianという言葉自体、vegetableを食べる人だからvegetarianだと思っていた。
本当は、
「健康で活力があり元気な人」という意味のvegetus(ラテン語)に由来しているらしい。
今まで偏見のかたまりだった私のベジタリアンに対するイメージは
・栄養バランスが悪そう
・貧血になりそう
・体力がなさそう
だった。
言葉が持つ意味とは全く真逆。
無知というのはなんとも恐ろしい。
でもね。
やり方を間違えると、無知だった私のイメージ通りの結果にもなり得る。
「ねぇねぇ、あの子ってさー。ベジタリアンなんだってー。」
「えーー?!そうなのー?」
「どーりで!
・栄養バランス悪そう
・貧血なりかけ
・体力なさすぎやーん。」
なぁんて言葉がいつか聞こえてくるかも。
いや。ダメ。
これは、何としてでも回避せねば。
娘はこれまで好き嫌いなどほとんどなく、健康そのもの。
体調を崩して学校を休んだ事もほぼなければ、熱が出て寝込む事なんてここ数年ない。
これを継続できなければ「ベジタリアンになったからじゃないか?」という疑問が生まれてしまうだろう。
その言葉の由来どおり「健康で活力があり元気な人」にならなければ、娘がどれだけ高い志を掲げようとも、母は白旗を上げざるを得なくなる。
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じゃあ、どうすれば?
今までのように、冷蔵庫に入ってるあり合わせのものでチャチャッと時短料理〜♪にサヨナラ。
肉のかわりに豆腐で置き換え〜!という単純な考えも捨てよう。
肉や魚を使わないメニューでこれまでと同じような栄養バランスの料理をつくる。これに尽きる。
今まで娘が食べていた肉や魚にはいったいどんな栄養素が含まれていたのか。
どんな食材がその代替えとして最適なのか。
また、どのくらいの量を食べるべきか。
食材の組み合わせは・・・?
代替えでは取り入れる事ができない栄養素についてはどうするか。
気分はまるでアスリートを陰で支える栄養管理士。アスリートの輝く未来のために日々努力を積み重ねる彼らの気持ちが今なら少しわかる気がする。
「なんか最近すこぶる体調いいんだよねー。」
なぁんて言われようもんなら「ッシャーーー!」と叫んでガッツするだろな。
よーし。今日も一食入魂!
タイのベジタリアン事情
もともとね。
「今年の夏休みはどこに行こうか〜?」
「ビーチリゾートとかいいよね〜。」
「今まで行ったことない場所がいいんじゃない?」
「ごはんがおいしいところで!」
「海の色はバスクリンみたいなんで!」
「あぁ。海風にあたりながらの〜んびりしたいなぁ〜。」
なぁんていうフワフワした気持ちでググったところ。
「プーケットよさそう!」
「海めっちゃきれーーー!」
「ピピ島にも行ってみたいよね。」
となったわけで。
まさか、この旅がのちのちの私たちの食生活に多大なる影響をもたらす「きっかけ」をつくることになるとは、夢にも思ってなかったわけで。
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その「きっかけ」はひとつ前のブログに書きましたが。
今日は娘が「3日ボウズ」で終わらなかった理由のひとつ。
「タイのベジタリアン事情」について。
そう。
娘が「ベジタリアンになろう」と強く思った場所。
それがタイだったということ。
私はそれが「3日ボウズ」で終わらなかった理由に関係してるんじゃないかな、って思う。
だってね。
プーケットはもちろん。
面積わずか28km2(長さ8km、最も広いところでも幅3.5km)のピピ・ドン島でさえ、ベジタリアンレストランやビーガンレストランがそこここに存在するんです。
ベジタリアンレストランやビーガンレストランと銘打ってなくとも、だいたいのレストランにはメニューの中に「Vegetarian menu」の欄があるし、たとえなくても「お肉抜きで」や「エビ抜きで」などとお願いすれば笑顔で応じてくれる。
この旅で娘は「wothout meat や without shrimp」というフレーズを何回か使い、「without」をモノにしていた。
数十年前、「without」と何度もノートに書きなぐり、テストに挑んでいた私とはエライ違いだ。本来、英語ってこんな風に習得するもんだよな・・・と関心した。必要に迫られて使うと身体にしみ入るもんだ。
話を戻そう。
そう。
タイはベジタリアンにとって、すごく住みやすい場所なのだ。
あるブログでは、「世界トップレベルのベジタリアン都市」として紹介されていた。
これは彼らが信仰している宗教(仏教)と深く関係している。
・宗教上の理由でもともとベジタリアンが多い。
・一年に一度「ギンジェー」※という菜食期間がある。
・普段はベジタリアンじゃない人でも年に一度「ギンジェー」という期間だけはベジタリアンになる人が多い。
というわけで、タイではベジタリアンが文化に根付いているのだ。
※「ギンジェー」というのは「生き物を殺さずに、心身ともにクリーンな状態にリセットしましょう」というコンセプトで1年に1回、約1週間ほど菜食のみで過ごすベジタリアンウィーク。
タイでベジタリアンデビューした娘が得たもの。
それは「ベジタリアンってマイノリティーじゃない。」という感覚。
ほとんどのレストランではベジタリアン料理をオーダーできるし、それがまたとても美味しいではないか。
「お肉を食べない」という選択は「わがまま」や「変わり者」というレッテルを貼られるような事じゃない。
その感覚が結果的に娘の背中を押し、帰国後も「私、ベジタリアン続けたい。」
と言わせたんじゃないだろうか。
いとも簡単に言い放ってくれちゃったが、娘よ。
日本では同じ感覚ではいかないってこと。分かってますか?
分かってないよね〜。(笑)
突然のベジタリアン宣言
2019年8月。
11歳の娘が「私、ベジタリアンになる!」と。
まさかのベジタリアン宣言をした。
それまで娘は
「好きな食べ物は塩タン♡ハラミ♡こてっちゃん♡」
なぁんていうチョー肉食女子だったので、もうびっっっっくり!!!
「ほんま??言うてるだけちゃう?どうせ3日ボウズでしょー。」
もちろん疑ってかかる。(笑)
きっかけはね。
タイのプーケットにある「エレファントサンクチュアリ」という象の保護センターを訪れたこと。
そのセンターには、心ない人間に傷つけられた象たちがたくさん保護されていて。
娘は両親のいない赤ちゃん象「Rockey」にミルクをあげるお手伝いをさせてもらいました。
Rockeyのお父さんは象牙をとるためだけに人間に殺され、お母さんは過酷なトレーニングをさせられた後、エレファントトレッキングで働かされているらしい。
悲しい思いを抱えながらも、無邪気に人間にすり寄って甘えてくるRockeyに出会った事が娘の心を大きく動かす要因となりました。
今まで、人間によって傷つけられ苦しんでいる動物をテレビで見た事はあったけど、体験をもって知ったのは今回が初めて。
その夜、心の中にズーーーーーンと沈む鉛のようなものを感じながら重い口を開きました。
・・・・・・・
「Rockeyかわいかったね。」
「でも少し悲しい目をしてたね。」
「まだ赤ちゃんなのにお母さんもお父さんもいなくて寂しいだろね。」
「Rockeyみたいに悲しい思いをしている動物ってきっと他にもたくさんいるよね。」
「やりきれないね」
「何か私たちにできることはないんかな。」
話しながら涙がぽたぽた落ちました。
「自分にできることを考えて、少しずつでもいいからやってみるしかない。」
そこで娘が考えたアイデアのひとつが「ベジタリアンになること」でした。
・動物が大好き
・だから守りたい
・食べるためや趣味のために殺される動物たちを1頭でも少なくしたい
純粋でまっすぐな娘の心。
気持ちはすーっごくわかる。
でもこの時はまだ前述の
「ほんま??言うてるだけちゃう?どうせ3日ボウズでしょー。」
という感覚で。
「そーなんやー。とりあえず食べたくなったらいつでも食べるんやで。」
と、よゆーかましてました。(笑)
その後、タイでの旅行中、レストランで毎回ベジタリアンメニューを選ぶ娘を横目で見ながら
「日本に帰ったらまたあの焼肉屋さん行く?」とか
「ひさびさにお寿司食べたいよね。」とかイジワルな質問をしてみるも。
「いや。いいわ。」と冷たくあしらわれる・・・。
まじか・・・。
母の予想に反して、そのまま娘はタイでの滞在期間中、ベジタリアンメニューオンリーで過ごして帰国。
「このままベジタリアン続けたい」と申し出た。
ベジタリアン宣言から約10日。
これはいよいよ本気で考えなければ!
なにより私はベジタリアンについて何も知らない。。。(あせるー)
これまで少しは栄養バランスを考えながら料理していたが、ベジタリアンとなると全く話が変わってくるではないか。。。(あせるー)
「心も身体もまだまだ未熟で成長過程の小学5年生がベジタリアンって、本当に大丈夫なのか・・・」
という不安がじわじわ溢れて出てくる。
一番守らなければいけないのは娘の健康。
「身体こわしたらどうしよう・・・」
なによりそれが怖い。
無知な大人が「だめ!子供にはまだ早い!」などと理不尽に却下することはいとも簡単。だけど、娘の気持ちを無理やりねじ伏せたくはない。
娘の気持ちを無かった事にして、彼女の未来を変えてしまうのはもっと怖い。
それなら、、、選択肢はひとつ。
まずは私が正しい知識を身につけること。
健康維持が可能かどうか判断するのはそれからだ。
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で。ここ数週間。
たくさんの文献やニュースを読み、学び、分析し、レポートして。
栄養オタクのような生活をしていたところ、
「動物性タンパク質を植物性の食材でだいたい補う事ができるのでは?」ということが見えてきた。(課題はまだまだあるが)
その後も娘と何度も何度も話し合いを重ねて。
娘の「動物が大好き。だから守りたい。」という揺るぎない志を尊重してやりたい。
そのために、親として精一杯サポートしてあげよう、との結論に達しました。
とにもかくにも健康第一で。
美味しくヘルシーなベジタリアン料理をつくることがこれからの私のミッション。
よし。がんばろ!